説明不足だったのか、乳腺腫瘍という癌について
誤解されている方もいらっしゃるみたいなので
あらためてご説明いたします。
そもそも、動物病院に行ったからといって、
すべての病気が治るわけではありません。
人間も同じですよね。病院へ行けばすべての病気が治るなら、
癌などの病気で死ぬ人間なんてこの世にいないはずです。
そして、猫の癌は、癌の種類にもよりますが、完治の難しい病気のひとつです。
癌の治療法としては、三大治療と言われるのが手術、放射線治療、抗がん剤治療です。
(これは人間の癌でも三大治療と言われますね)
にこさんがなっている乳腺腫瘍は、手術では取り除けますが、
乳腺が複雑に入り組んでいるため、腫瘍だけでなくその周りも大きく
取り除いても、どこかに取りもれがあり、再発することが多いそうです。
(癌細胞は、例えたったひとつの細胞だけ残っただけでも、
そこからまた無限増殖していきます)
放射線治療は、3か所の動物病院へ行きましたが、
一度も提案されませんでしたので、乳腺という場所的にできないか、
効かないかのどちらかなのでしょう。
抗がん剤は、多少効くみたいですが、癌細胞を全滅させるものではなく、
せいぜい減らすものでしかないうえに、食欲不振、元気の喪失など
副作用が重篤です。現に、去年ちょこさんはその副作用で亡くなりました。
そして、乳腺腫瘍から転移した、肺の癌については、
手術はできないそうです。
放射線治療、抗がん剤治療については、上に書いたのと同じです。
結局、肺に転移した癌を完治させるための治療はないということです。
最終的に完治させる方法がないのに、全身麻酔のリスクや術後の苦痛がある
乳腺腫瘍の手術はすべきではない、というのが
獣医さんの見解であり、わたしたちスタッフの見解でした。
というわけで今は、にこさんに、薬の副作用がなく、なるべく通院のストレスのかからない
範囲で、できることをする、という意味で、
癌に効くと言われているサプリメントを飲ませ、丸山ワクチンを打っています。
丸山ワクチンは、昔、人間の癌治療としてはやったそうで、
結局、その効果の賛否はわかれ、人間の治療としては今は下火だそうですが、
猫の乳腺腫瘍については、ある程度効果があるそうで、
宣告された余命よりも長く生きたという報告が多いそうです。
とはいえ、完治させるほどのものではありません。
「もともと宣告された余命よりもいくらか長く生きる傾向にある」
というだけですので、過度の期待はなさらないでください。
わたしたちは癌について相当調べてますので、癌についての知識が相当あって
それを当然の前提として無意識に飛ばしてブログを書いていたかもしれないので、
順を追ってすべての説明を書きました。
感染症など、一時的な病気で、通院すれば治るものであればいくらでも通院しますが、
今回の乳腺腫瘍のように、通院したところで完治もしないなら、
猫にとって大きなストレスとなる通院は、猫のQOL(生活の質)や幸福感を
あげるものではないので、なるべく控えたいと考えています。
現に、CT検査の後、にこさんは震えていましたし、
先日病院に行った時は、普段聞かないような声でうなっていました。
ですので、にこさんには、慣れた場所で、のんびりと
余生を過ごしてもらいたいと思っています。