はじめに

愛猫との別れ、それはいつか来るものだとわかっていても、どこか遠い世界のことのように忘れていて、ある日突然現実として目の前に突きつけられるものです。
いるのが当然だったのが、近い将来当然でなくなる、その悲しさと絶望感は、できれば経験したくないものですが、生き物を飼っている以上、必ず経験しなければならないものです。
そんな気持ちを何度も経験した自分の体験をふまえて、今現在絶望の状態にある方の気持ちが少しでも軽くなるようにと、このサイトを作りました。
ペットロスが怖い方、いま現在ペットロスの方に、参考になればと思います。

気持ちの持ち方について

気持ちの持ち方については、まず「猫の幸せ」の点から考えたいと思います。
猫の幸せって何でしょうか。もちろん想像するしかありませんが、雨や風にさらされず、快適な居場所があって、飢えず、愛情をもって接せられることではないでしょうか。
生きている間、そんな環境で暮らせることではないでしょうか。
そうだとすれば、今これを読んでくださっている方は、そのような環境を十分に提供した、愛猫はとても幸せに過ごしたということだと思います。
あなたに飼われなければ、外の厳しい天候に左右され、苦しい飢えを体験し、時には虐待という辛い思いをしたかもしれません。
でもそんな辛さから抜け出し、あなたに飼われている間、とても幸せに過ごした、生物としてこれ以上の幸せがあるでしょうか。
寿命が来たとき、猫は「もっとやりたいことがあったからもっと生きたかった」というでしょうか。
そんな意識はないと思います。
たとえ命の長さは短かったとしても、その生きている間、その期間が一番大切なんです。
もっと長く生かせてあげたかった、一緒にいたかったと思われるかもしれませんが、長さではありません。生きているその一瞬一瞬が幸せであるかが大切なんです。
それでも悲しさや辛さが湧いてきたら、こう考えてみてください。
もしあなたの友人が、大切に飼っていた猫が亡くなったと悲しんでいたら、なんと言ってあげますか。
そんなに大切に飼われて、その子はきっと幸せでいい猫生だっと思うよ、と、言ってあげるのではないでしょうか。
そういうことなんです。
生きている間幸せであれば、猫としては、生物としては、それで十分なんです。

また、こうも考えてみてください。もし、猫の寿命が１００年、２００年であったなら。
愛猫の死に際に合うという悲しさは経験しなくて済むかもしれませんが、自分が死んだ後、誰か信頼できる人に頼まなければなりません。さらにその人がまた次の人にも頼まなければならなくなるかもしれません。もはや自分の知らない人が愛猫を世話することになります。果たして信頼できるのか、心配になりませんか。
そんなことになるなら、自分で最期まで看取ってあげる方が、安心できませんか。
最期までゆるぎないあなたの愛情で包まれていた方が、愛猫は幸せではありませんか。
愛猫の死に直面するのは、最期まで幸せなまま生かせてあげられたということであって、それはあなたにとって仕事でもあり、また幸せなことなのです。

最後は病気で苦しんだとしても、大丈夫です。
身体は苦しくても、心はあなたからの愛情で幸せなままです。
虐待で苦しいのとはわけが違います。
自分を責めないでもらいたいと思います。
治療をするかしないか、どんな治療をするか、どんな選択をしたとしても、愛情をもって考えた結果であれば、あなたの愛猫は満足で幸せなんです。それで正しいのです。

こう考えていても、実際に愛猫の死に直面すれば悲しく辛いものです。
感情は、すぐには理屈に追いつけません。
でも、先に理屈というゴールが見えていれば、迷うことはありません。そこに向かうだけです。
立ち直りが早くなると思うのです。
私も以前は愛猫の死が怖くて仕方ありませんでした。
でも、何度か経験し、立ち直っていくうち、このように考えるようになりました。
別れのことを考えるより、今現在、幸せに生きてもらうことに集中しようと。
自分がやるべきことはそれだけだと。
それによって、別れへの怖さもずいぶんと薄れました。
先ほども書きましたが、だからと言っていざ別れの時に悲しくないわけではありません。
でも真実を知っているから、立ち直れるのです。
ペットロスを和らげる手段を、他にもご紹介したいと思います。